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『ネギをうえた人』 -夏休みの課題図書

■2019/08/13 『ネギをうえた人』 -夏休みの課題図書
 夏休みの宿題にあった読書感想文。今も忘れられない課題図書ってありますか。
 
私は『おしらさま』です。
『おしらさま』は、原爆の図や『ひろしまのピカ』で知られる画家、丸木俊さんの絵が印象的な本。
菊池敬一さんの文は、旋律がとても美しく何度も読み返しました。「遠野は霧につつまれた早池峰山のふもと」で始まる一節は、今でもそらんじることができます。
 
夏休みの宿題って懐かしいですね。
大人に宿題はないけれど、この夏、「夏休みの課題図書」を見つけてみるのはいかがでしょうか。
 
おすすめの1冊は、朝鮮民話選『ネギをうえた人』です。
朝鮮に古くから伝わる民話三十三編を集めたもので、著者は金素雲。1953年に岩波少年文庫で発行され、今も版を重ねています。
 
お話の中にでてくるのは、動物と人間。
トラがたばこを吸ったり、ノミやナンキンムシが酒盛りをしたり、若い娘さんがヒキガエルと結婚したり、素朴な夢と笑いと慈愛に満ちたお話ばかり。
「人がネギを食べるようになったのはどうして」や「ネコとイヌがけんかするのはなぜ」、そして、ナンキンムシとノミとシラミの見分け方までわかってしまうのです。
 
そうそう、ノミがなんで赤いかっていうとね…
 
興味深かったのは、日本の昔話と同じく、登場する人や動物の一番下の子が賢かったり、成功したりするお話が多いこと。日本と韓国は、家族関係や世間がとても似ているのだと気づきます。もちろん、韓国らしいお話の展開もあってわくわくします。
 
著者の金素雲は、詩人、翻訳家、随筆家、編集者、口承文学採集者、韓日辞書発行人など、戦前戦後を通して日本と韓国で活躍した人物。日本語のエッセイも多く残しており、エピソードの躍動感と言葉の滑らかさには驚くばかりです。
 
金素雲は、『ネギをうえた人』のあとがきで
 
「アジアの東に隣りあっている二つの国――が日本と韓国です。こんなに近い二つの国が、こころのへだてではフランスやドイツよりも遠いというのはさびしいことです。デンマークに生まれたアンデルセンの物語ならたいてい知っているあなたたちに、こんどはこの近い隣りの国の昔がたりも読んでもらいたいと思います。」※原文は「へだて」の上に傍点。
 
と書いています。
 
さらに
 
「世界じゅうを流れ合っている似かよった話、韓国ならではという独特な話、――説法や教訓などはここにありません。夢や、笑いや、空想や――、それらを通して、きっとみなさんにも、韓国に生まれた人たちの、古いこころのすがたが、身近な親しい思いで、共感されることでしょう。」
 
と続きます。
 
共感っていいですね。
子どもたちに向けたあとがきに、両国を生きた彼の思いを感じました。
 
『ネギをうえた人』は、現代を生きる私たちが、今、読むべき本かもしれません。
夏休みの課題図書として、ぜひ手にとってみてください。
 
*『ネギをうえた人』朝鮮民話選
著者:金素雲 編 出版社:岩波書店(岩波少年文庫)
※刊行は2001年ですが、抜き出したあとがきは1967年9月に書かれています。



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