韓国を旅すると、人との距離が近いと感じる。
地方に足を運べば、風景まで近く感じるのだから驚きだ。距離感といえばいいのだろうか。日本と韓国では親しみやすさがまるで違う。もしかすると実際の距離も違うのでは…
冬に味わいたい作品で考えてみた。
'눈 길' 신경림
아편을 사러 밤길을 걷는다
진눈깨비 치는 백리 산길
낮이면 주막 뒷방에 숨어 잠을 자다
지치면 아낙을 불러 육백을 친다
억울하고 어리석게 죽은
빛바랜 주인의 사진 아래서
음탕한 농지거리로 아낙을 웃기면
바람은 뒷산 나뭇가지에 와 엉겨
굶어죽은 소년들의 원귀처럼 우는데
이제 남은 것은 힘없는 두 주먹뿐
수제빗국 한 사발로 배를 채울 때
아낙은 신세 타령을 늘어놓고
우리는 미친놈처럼 자꾸 웃음이 나온다.
「雪道」 申庚林
阿片を買いに 夜道を歩く
みぞれ打つ 百里の山道
昼は酒屋の奥で 静かに眠り
寝疲れたら 女将さんを呼んで花札をめくる
悔しいままに 愚かに死んだ
褪せた主人の 写真の下で
酒にまかせた戯れ言で 女将さんを笑わせば
風は裏山 木の枝に来てからみつき
飢えて死んだ少年たちの 怨霊のように泣くけれど
今はもう 力の無い二つの拳だけ
すいとん一杯で お腹を満たす時
女将さんは 身の上ばなしを並べ立て
私たちは狂ったように とめどなく笑う
男が歩いているのは100里の山道。
日本の1里は、3.927 kmだから100里は392 kmほど。東京から名古屋を超えて岐阜まで行ける距離だ。人生はかくも長いものなのかとわかった気になる。
しかし、Googleマップでルート検索すると徒歩で83時間。歩くうちに夜道がうっすら明るくなるどころか4日はかかる。なんだかおかしい…
調べてみると韓国の1里はおよそ0.393km。東京から新宿を経由するとちょうど町田あたりと通勤圏内。近くてちょっと安心した。
それにしても、韓国の1里が10分の1だなんて驚きだ。
韓国語って、ついうっかりしてしまう。
初級テキストを開けば「日本語と似ています」とあり、ハングル教室の体験レッスンでも同じようなことを聞く。誰かに習っているといえば「日本語に近くて簡単なんでしょ」と返され、自分も理解したかのように読み流す。
でも、ぜ~んぜん違うんだなぁ。
なにしろ距離も距離感も10分の1なんだから。たぶんね!
もちろん、景福宮から光化門駅まで、およそ1里とは言われたら、ちょっとわかりにくい。現在は日本も韓国もメートル法。一緒でよかったと思う。
それでも時々「ことば」を確認しながら、作品と触れ合う。
時には立ち止まって味わう楽しみも韓国語にあるのがうれしい。
*申庚林(신경림)
1936年に生まれた詩人、代表作は農民を主人公とした「農舞」。
今なお人間の寂しさと孤独、生き方をテーマに叙事的な作品をつくり続けている。
※『雪道』の日本語訳は筆者
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