「新宿に咲く舞姫」
新聞の1面、美しい韓服の女性に目が止まった。(東京日日新聞山手版 昭和十一年三月二十一日)
写真の女性「裵亀子」は、日本占領下に朝鮮で活躍された舞踊家(劇場経営者)。記事には第二の「崔承喜」と書かれている。
崔承喜は、朝鮮をはじめ、日本、中国、アメリカ、ヨーロッパ各地で舞踊公演を行った舞踊家だ。1938(昭和13年)年1月から始まった世界巡回公演で大きな成功をおさめ、「半島の舞姫」「世界の舞姫」と呼ばれたそう。
ひとつの記事で時代を彩ったお二人に会えたのはうれしいが、お二人とも時代に翻弄されたと知り悲しくなる。
隣の記事は「伊勢丹竣工」を知らせるもの。
タイトルには、「ほてい屋を見事天ぷらして」のリードがついている。
食べ物以外の意味で使う「天ぷら」を見るのは久しぶりだ。これは、明治時代から使われてきた若者言葉で、中身と外側(衣)が違うこと、また偽物のことをいう。私も昭和世代から「天ぷら学生」という言葉を聞いたことがある。この「天ぷら学生」は、かなり流行ったそうだ。今より大学生に価値があった時代なのだと思う。それにしても、新聞で俗語を使うなんて大胆だ。
蔑む言葉をあえて使ったのには、理由がある。
新宿三丁目の角には、元々「ほてい屋※」という百貨店と路面電車の車庫があった。それを買収したのが伊勢丹だ。※1926年(大正15年)から1933年(昭和8年)
企業の買収は珍しいことではない。
人々がその異様さに驚いたのは、買収前。隣接地に建てられた伊勢丹のビルが「ほてい屋」そっくりだったこと。はじめから「ほてい屋」に狙いを定めて出店したもので、新宿三丁目の空に暗雲が立ち込めたそう。そうこうしているうちに、ほてい屋の経営にほころびができ、建物ごと飲み込んだといわれている。
弱いところを狙ったのか、狙われたから弱くなったのか。まぁ、イメージは良いわけがない。今を時めく百貨店には、こんな歴史があったのかと驚いた。
さて、記事の下には、ブルドックソースの広告が。
商品名の「ブルドックソース」をどーんと真ん中に。センスの良いネーミングは時代を越えて愛されるとしみじみ。大正から昭和初期にかけては、本当にハイカラだ。
ただ、宣伝文句の「春季の衛生!! 消化力を強化する」「風味は日本一」には、謎多し。
「春季の衛生」の衛生って何? 味は日本一でなくていいのかと悩む。
う~ん、キャッチコピーは時代を映すもので、越えるものではないのかもしれない。
街、歴史、文化… 新宿? の歴史から学べることはたくさんあるなぁ。
「우리의 문화유산 답사기」では、これからも韓国語教室のある新大久保や新宿、東京の話題を紹介していきます。ぜひ、また遊びに来てください。
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