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韓国映画「ベイビー・ブローカー」

■2022/06/29 韓国映画「ベイビー・ブローカー」
 古びたクリーニング店を営むサンヒョンとベイビーボックスのある教会で働く児童養護施設出身のドンス。彼らは、「ベイビー・ブローカー」だった。
 
ある雨の晩、若い母親ソヨンが、教会のベイビーボックスに赤ちゃんを預けにくる。雨に濡れないよう抱えた赤ちゃんをそっと地面におろし、ソヨンは立ち去る。
翌日、教会に戻ったソヨンだが、すでに赤ちゃんはブローカーによって、その場から消えていた。
 
数日後、赤ちゃんと出会えたソヨンは、ブローカーとともに養父母探しの旅に出る。途中、ドンスが育った施設のちびっこへスンが加わり、家族旅行のような時間を過ごす5人。
すぐに終わるかに思えた旅は、ブローカーを現行犯で逮捕しようとする2人の女性刑事によって、目的を果たせぬまま北へと続いていく…
 
映画「ベイビー・ブローカー」の始まりは釜山。
ここが釜山だと気づいたのは、ベイビーボックスのある教会のネオンサインが「부산가족교회(釜山家族教会)」となっていたからです。スクリーンに映し出される坂の多い古い街並みは、訪れたときの音と匂いを思い出させてくれ、懐かしい気持ちに。映画ってロケ地がいいんですよね。
ただ、ネオンが光る가족という文字は、これから始まる物語をよりいっそう悲しくさせるものでした。韓国にありがちな教会名ではあるのですが…
 
さて、釜山にはソウルの言葉とは違った音やリズム、単語など方言があります。
釜山のある慶尚道の言葉はちょっと高低差があり、街全体がガヤガヤ。しかし、スクリーンから聞こえる会話はとても穏やかでした。
特にアン・スジン刑事(ぺ・ドゥナ)とイ刑事(イ・ジュヨン)の2人の会話がいいんです。刑事だからか、会話が短めで淡々としていて、韓国語学習者にもわかりやすい。声も低めで聞きやすく、リスニングの勉強にもよさそうです。
 
では、心に残ったセリフをご紹介します。スジン刑事がソヨンに尋ねるシーンです。
 
スジン:키우지도 못할 거면서 왜 낳았어.(育てることもできないのになぜ産んだのか?)
ソヨン:지웠어야 했다고?(消してしまわなければならなかった?)
スジン:아이를 생각했다면.(子どもを考えたとすれば)
ソヨン:아이를 낳기 전에 죽이면, 낳고 나서 죽이는 것보다 죄가 가벼워?(子どもを産む前に殺せば、産んでから殺すのより罪が軽いの?)
ソヨンが当事者である赤ちゃんを目の前にしているかのように語った姿が印象的でした。
 
"태워나줘서 고마워"(生まれてくれてありがとう)
 
映画の名セリフのひとつです。
聞き取りたいな、記憶に残したいなと思うセリフは、ゆっくり発音されているように感じる映画「ベイビー・ブローカー」。先ほどのシーンでは、社会の冷淡さとその社会に属している自分を悟ることとなり、とても辛くなってしまいましたが、聞き取りやすいという点で、韓国語学習者にとって魅力ある映画といえるのではないでしょうか。何度も聞いて、感じるにはぴったりだと思います。
 
この映画が生まれてくれて本当に良かった! 태워나줘서 고마워!
ぜひ、皆さまも映画館に足を運んでみてね。



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