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물어보고 싶어요. 여기 계속 살고 싶냐고-韓国映画紹介

■2023/03/09 물어보고 싶어요. 여기 계속 살고 싶냐고-韓国映画紹介
 ソウルの東端、アジア最大と呼ばれた遁村(トゥンチョン)住公アパート団地(둔촌주공아파트)。ここは、人々と猫やカササギたちが豊かに暮らす都市空間でした。
しかし、再開発に先立って取り壊されることに。
徐々に取り壊しが進むなか、そこに暮らす250匹の猫を心配している人たちがいます。
 
映画『猫たちのアパートメント(고양이들의 아파트)』は、猫たちを安全な場所に移住させる「둔촌냥이(トゥンチョンニャンイ)」プロジェクトの活動を追ったドキュメンタリー。
活動の中心は、団地住民のイラストレーターや写真家、「猫ママさん(캣맘)」と呼ばれる地域猫を世話する女性たちです。
 
 “고양이들과 사람들의 행복한 작별을 위한 아름다운 분투가 시작된다! ”
猫たちと人々の幸せな別れのための活動は、やがて美しい奮闘となっていった。
 
主人公の猫たちの毛艶や体つきをみると、人々に愛されていることがよくわかります。幸せを与えてくれる猫たちは、映画の中で私たちと同じ都市空間の住人として映し出されるのが印象的です。このかわいい猫たちは、どこに行くのだろうか…
 
 “사람은 빠져나가고 있는데, 동물들은 계속 지금 머물고 있는 상태고…”
 
映画後半、建物の解体工事がはじまります。木が根ごと抜かれるなど、命のすべてが危険と感じる空間の中、世話を続ける猫ママさんたち。
 
“물어보고 싶어요. 여기 계속 살고 싶냐고”
 
再開発は、老朽化した建物を撤去し、より良い環境に改善するという効果はあるかもしれません。しかし、都市の豊かなつながりを急速に崩壊させます。再開発の恩恵を受けられるもの、選択肢があるのも強者です。遁村アパート団地の猫や猫ママさんの姿は、都市に生きる弱者たちの代弁者のようでもありました。
 
“이 고양이는 내가 없으면 살 수 없다고 생각하는데 전혀 그렇지 않아요. 내가 고양이를 보살피는 것도 희생하는 게 아니에요. 사회에 대한 기여와 사람에 대한 사랑을 확대해나가는 거예요. ‘나는 사람이 싫고 동물은 좋다’ 이런 분은 동물보호하면 안 돼요. 내가 행복해서 하는 거지.”
 
プロジェクト活動で猫たちの将来について議論したとき、人々に争いがおこります。
250匹の猫のうち良いシェルターに送ることができる猫は、限られてしまいます。その時、どの猫を選ぶべきか。限られたリソースの中では、正しいか間違っているかではなく、選択の問題だという課題。他団体交渉での争いや悲しい出来事もありましたが、この話し合いが一番つらい場面でした。
 
それでも、スクリーンに映る猫たちの姿をみていたら、同じ空間、同じ時代に生きる「すべての生き物」が愛おしくなってきました。
主人公の猫たちも魅力的な子ばかりなので、ぜひご覧ください。
猫たちに話しかける猫ママさんたち声も本当に優しくておススメです。
 
*정재은(チョン・ジェウン)監督
1969年3月、ソウル生まれ。2001年、『子猫をお願い』で長編デビューを飾り、高い評価を得た。現在は、フィクション、ノン・フィクション双方での作品を残している。
 
*団地のこと
映画をおススメくださった先生から、「江南について、神話だけを知っているのであれば、ぜひ見なければならないドキュメンタリーです」と伺ったので、少しご紹介します。
 
1979年に竣工された遁村アパート団地は、近代都市の理想を追って計画されました。大韓住宅公社(現韓国土地住宅公社)が供給した中で、最も大きい143棟5,930世代の規模。巨大な「都市の中の小さな都市」だったといわれています。
 
1970~80年代に公社によって建てられた団地同様、低層が多く、建物の間も広く取られていました。快適な居住空間でもあったため、リノベーションの意見もありましたが、2000年代に入ると再開発をめぐる議論がはじまり、2003年に再開発推進委員会が設立。すべてをやり直すほうがよいという経済的な理由で建て直しが決まりました。
 
再開発の提案が具体化したことで、多くの人が手入れをしなくなり、団地は急速に老朽化していったといいます。その後、2017年に再開発が決定、2021年末に撤去が完了しています。現在は、新しい建物も立ち、올림픽 파크 포레온(オリンピックパークフォレオン)として、分譲が開始されています。
 
*都市開発のこと
1961年、朴正煕大統領は「祖国の近代化」をスローガンに都市開発を含む「経済開発5カ年計画」をスタートさせました。公団によるアパート団地建設は、それを象徴するものといわれています。「近代的な革命」と位置付けたアパート団地の建設は、次の大統領まで引き継がれます。これらには問題も多くありました。建設用地の買収、立ち退きだけでなく、住む場所の格差による差別。それは、現在にも引き継がれているといいます。
 
2022年に公開されたウェブトゥーンが原作の韓国ドラマ「今、私たちの学校は...」の第1話にも、格差を象徴する表現がでてきます。遅刻しそうになった高校生たちが高級アパートの敷地を通ろうするのですが、アパート入口の頑丈な門に「입주민 외 출입금지 임대아파트 학생들 넘어다니지 마시오(入居者以外の立ち入り禁止 賃貸アパートの学生は、乗り越えないでください)」と書かれた注意書きが貼られています。子どもたちが通りぬけするのを禁止する表示なのですが、これも格差を象徴するひとつの表れだといわれています。



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