学院ブログ

歴史も韓国語も一歩前!

■2018/05/09 歴史も韓国語も一歩前!
2018年4月27日の南北首脳会談。
半島の和平に向け、大きな一歩となるニュースに「진일보하다」という言葉を見つけました。
 
진일보하다(進一歩)」、一歩発展して 단계 발전해 나아가다.という意味です
この言葉からは、未来のためにさらに一歩進む力強さを感じます。
 
一歩進む…
このことに喜びを感じていたら、民藝運動で知られる柳宗悦の残した『朝鮮の友に贈る書』の一文が浮かんできました。
「私の知れる、または見知らぬ多くの朝鮮の友に、心からこの書翰を贈る。」とはじまる序文に次の言葉があります。
 
私は進み出て、もだし難しいこの心を貴方がたに話し掛けよう。―『朝鮮の友に贈る書』序文(前後略) 
 
「もだしがたい(黙し難い)」とは、「だまって見ていられない」「そのままにしておけない」という意味です。
 
思想家の柳宗悦は、朝鮮民族の社会運動、朝鮮民族美術館の設立などに力を尽くした人物です。
その彼が進み出て伝えたい心とは、どのようなものだったのでしょうか。
 
朝鮮民族美術館の実現を契機として開設された東京駒場の日本民藝館。
2階の朝鮮工芸室に展示されているのが、染付蘭文文字入壺です。
図録に寄せられた説明文には、
 
優しい心根や、慎み深い性情が誰にでも気付かれるであろう。黙してはいても、いつだって呼びかけているように見える。だから振り向かないわけにはゆかないではないか。見れば涙ぐむようにさえ思える。だが打ち明ければ人間だって同じ求めが胸に閉じてあろう。―『工芸』第55号
 
とあります。
名もなき人々の作品を通して、その地に暮らす人々へ畏敬の念を抱いていた柳。
前出の「進み出て」は、진일보하다なのだと感じました。
 
久しぶりに、柳の残した『朝鮮の友に贈る書』、『失われんとする一朝鮮建築のに』を読みたくなりました。
岩波書店『民藝四十年』に掲載されていますので、皆さまもぜひ。
 
また、以前、失われようとしていた光化門への思いを寄せた『失われんとする一朝鮮建築のに』をソウル韓国語学院のブログで紹介しました。
こちらも合わせて読んでみていただけるとうれしいです。
 
隣国に暮らす私たちも一歩進むことができますように。
 
韓半島の美と柳宗悦の心にふれる -日本民藝館http://seoulkorean.jp/article/detail.php/1084/289645
 
*『朝鮮の友に贈る書』1920(大正9)年4 月、同年6 月号の『改造』
後にThe Japan Advertiserに一部英訳が、東亜日報には、序文の朝鮮語訳が連載されました。



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